印刷

二次元バーコードを使用した展示会来場受付・集計システム

パナソニック株式会社 インダストリーグループ主催のプライベート展である『インダストリー総合展』は、2年に一度、同社の最新デバイス・テクノロジーをいくつかのテーマに分け、一堂に展示するイベント。

2002年9月、[ユビキタスの夢をかたちに。パナソニックのテクノロジー]をテーマに、東京ビックサイトにて開催されました。

全体の流れ

インダストリーグループは、インダストリー営業本部、カーエレクトロニクス営業本部、半導体社 営業本部、FA営業本部と大きく4つのグループに分かれています。(分社化により現在の体制は変更されています。)

4営業本部の各営業所では、BIG顧客管理で招待状名簿管理をされており、テキスト転送したデータに二次元バーコードを付与して招待状を発送。当日、総合受付にて来場者が持参した招待状に印刷されている二次元バーコードを読み取り、集計室にあるサーバーにデータが送られます。

会場の裏にあるセールス控え室には、営業所ブロック毎に大型のモニターが用意されており、サーバーに送られた来場者データをリアルタイムで表示します。

営業担当は、自分のお客様名がモニターに表示されたらすぐに”出会いの広場”と称するエントランスにてお客様をお出迎えし、フルアテンドで会場内をご案内します。各営業担当は、それまで抱えていた案件を、実物を見せながらその場で商談。記入された”商談カード”を、商談集計室にてオペレータがインプットし、1日に4度、来場・商談速報が出力されます。

また、別棟で行われるセミナーは、事前にWebで受付。当日は受講票をプリントアウトしたものを持参頂き、サーバールームとネットワークでつながったセミナー受付にて受け付け、同様にセミナー来場者としてカウントされます。

パッケージソフトのカスタマイズでシステム構築コストを削減

インダストリー本部 秦主任

BIG顧客管理を使用したこのシステムの利点として、あらかじめ全営業所で管理項目を統一しデータを収集するので、データフォーマットが同一のため非常に効率的という点、蓄積したデータを元に、Excelなどで二次利用できる柔軟性を挙げています。

しかし、一番の利点は、アプリケーションを基礎としたカスタマイズシステムなので低コストで収められる点だと言えるでしょう。

インダストリー営業本部の秦主任は、これまで営業としてインダストリー総合展に参加されておりましたが、企画部門への転属をきっかけに、2000年度に初めて運営スタッフとして参加。2002年度より主担当になりました。全体像はすでにマニュアル化されており、システム的に大きな問題はありませんでしたが、「前任者から、最初の何回かはシステムが統合化されておらず、紙ベースでやり取りしていたという苦労話を聞いています」と語ります。

今後の課題

各営業所のデータを整備する上での一番の問題は、データの重複です。ある程度お客様の主管営業所の取り決めは成されていますが、20ヶ所以上ある営業所から同一人物に何枚も招待状を出す、という事態が毎回生じます。現状は、各営業所で整備したデータを別DBにテキスト取り込みで一元化し、ソートをして重複データをチェックする、という大変な作業が必要となります。

2002年4月、会期の半年前に行われた全体会議で、従来各営業所でローカル管理していたデータをブラウザから入力し、全データを一元化する、という大きな課題が持ち上がりました。各営業所のキーマン、プログラマーを交えて何度も打ち合わせをした結果 、既にローカルでのデータのメンテナンスに入っており、使い慣れたBIGからWebへの切り替えをするにはタイミングが悪かったこと、BIG顧客管理と同等の全ての機能を数ヶ月でWeb対応にするのは不可能といった理由からフルWeb対応は次回へ見送り。今回のWeb対応はセミナー受付のみとなりました。

イリイがシステム担当として初めて参加させて頂いたのは、1988年。 時代の変化とともに、ご提案するソリューションも進化しています。パナソニックの分社化により、次回の総合展は従来のような大規模なものではなくなる予定とのことですが、まずは実現出来なかったフルWeb化を実現し、今後も業務効率化のお手伝いをしてゆく予定です。