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老舗の味を支えるお得意様へのサービスにCTIを利用

江戸末期、安政3年(1856年)創業の満月様は、歴史を感じさせる看板を掲げた、上品な外観が印象的な老舗の京菓子店です。

満月様の看板商品である「阿闍梨餅(あじゃりもち)」は、もちもちとした皮と粒餡があっさりとして後をひく絶品で、京都の人々のお茶菓子として、また、観光客の京都土産としても有名です。

その他、丹波の大納言小豆を使用した「京納言」、明治の御代、藤の門旧九條家御用達の「満月」、“京都のお菓子”というイメージの強い最中の4種類のお菓子を、自社に併設された工場で、ひとつひとつ丹精を込めて作られています。

BIG通販Pro導入のきっかけ

満月様の商品は、京都本店のほか、大阪や京都などの関西圏や、東京、名古屋、北海道のデパートなどでも購入できます。

お土産として持ち帰った箱の中には、フリーダイヤルの番号が記載されたカタログが入っており、電話注文を受け、地方への配送もしています。そのほか、FAXによる注文もありますが、フリーダイヤルへの電話注文がほとんどです。

満月様では、通販業務の効率化とCTIによる電話対応を目的とし、BIG通販Proをご導入いただいています。

利用方法

BIG通販Proでは、個人のお客様への販売、および掛け請求による卸売りの両方に対応していますが、全国デパートへの卸売りは別部門で管理されているため、BIG通販Proをご導入頂いた部門では、主に店舗での売上と、電話による通信販売の管理をされています。

ご注文から入金まで

お客様より注文を受けると、ミスのないように手書きで注文書を作成します。そして、ご希望納期に合わせて注文書を日別に分類。その日に処理すべき注文分を売上伝票に入力し、宅配便の送り状と納品書を印字し、郵便振込み用紙とともに発送します。

その後、入金連絡を経理部門から受け、入金伝票を入力します。

CTI機能

お客様は、満月様の商品をお気に入りの、いわゆるお得意様が多く、CTIの電話番号のヒット率は高いようです。しかし、最近では携帯電話に加えてIP電話からの通話も増えてきており、お客様台帳のメンテナンスを強いられているようです。お得意様へは、郵便振込み用紙だけではなく、時には請求書を印字してご送付される場合もあり、請求機能もご利用いただいています。

FAXによる注文も少なくはありませんが、必ず折り返し電話をしてご注文の確認をされているため、折り返しの電話にはアウトバウンド機能をご活用されています。

売上集計

観光シーズンや年末年始などには、通常よりもご注文は増えますが、日別に分類された注文は必ずその日のうちに処理し、お店の売上数の入力をした後に、日報を出し、経理部門に報告します。経理部門では、卸売り部門の売上を集計されています。

プロモーション

お客様は、仏事などの用途でご注文されることもあり、また製造個数が限られているため、あまり積極的にDMを出すなどのプロモーションはしていないとのことですが、お得意様のご近所での催事があるときなどには、宛名ラベルを印字してご案内を出す程度。あくまで、お得意様へのサービスとしてご利用いただいています。

老舗のこだわり

インターネットの検索エンジンで、“阿闍梨餅”というキーワードで検索すると、阿闍梨餅を食べたことのある人のブログや、グルメ評論などで、実にたくさんのページがヒットします。しかし、インターネット通販のサイトが見つかりません。

「ネットでの販売はされないのでしょうか?」と、お尋ねしたところ、「その日にお店に出すもの、デパートへ卸すもの、お得意様からのご注文分をすべて職人の手作りで製造しています。今以上のご注文を受けるには、生産が追いつかなくなってしまいますので・・・」とのご返答でした。

インターネットの普及により、本当においしいと認められたものは、場所や世代を飛び越えて、口コミで加速度的に広がりをみせる時代です。しかし、あんに時代の流れに乗って利益を追求したり、顧客の拡大を図ることなく、お得意様を大切にし、老舗の味と質を守る姿勢に頭の下がる思いでした。