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テレマーケティングコールセンター運営のために情報セキュリティ対策を強化

インターネットが家庭にもビジネスにも普及した昨今、サービスを提供する企業の多くは日々新たなサービスを発表し、競合争いが活発化しています。

大阪市内のビジネス街にオフィスをかまえるアスコム様は、テレマーケティングの仕事を請け負う、アウトソースビジネスを展開されています。主に、国内大手通信メーカー様などから委託を受け、通信サービスの内容や、最新サービスを、より早く全国各地のお客様に電話でご案内しています。

オフィス内に、オペレータと関係者のみが持つICカードの認証がなくては入室できないコールセンターを構築されています。コールセンターには、数十台のパソコンとヘッドセットが整然と並び、本格的なコールセンターを運用されている、という印象を受けました。

依頼される仕事の内容に合わせ、オペレータは25名~50名まで使用できるような体制が整っています。

BIG顧客管理Pro導入のきっかけ

2005年4月の個人情報保護法の施行により、顧客情報の取り扱い責務から、クライアント側から業務委託をする企業への要求が更に厳しくなりました。

時には、複数のクライアントからの仕事を同時に請け負うことも考えられるため、万が一競合他社に自社のリストが目に触れるようなことがあってはならないということと、情報漏えい対策に、まず、紙ベースでのリスト管理の全面禁止が命じられました。そして、コールセンターへの入退室管理、オペレータの操作ログ管理、鍵付きロッカーの設置など、さまざまな要求がありました。

紙ベースのリストから手作業でダイヤルし、フォロー結果や顧客情報などもすべて手入力で行っていたそれまでの業務には、限界を感じていた矢先のことでした。

そして、オペレータの業務効率化と情報セキュリティ対策に、BIG顧客管理Pro CTIをご導入いただきました。

厳しい審査の結果、全ての要求を満たしてクライアントから認められ、本格的にコールセンターが活動開始しました。

アウトバウンド機能でテレマーケティングを効率化

現在、アスコム様では大手通信メーカー様より委託された、最新サービスであるブロードバンドコンテンツについてのご案内をBIG顧客管理Pro CTIのアウトバウンド機能を使って実施されています。

オペレータは、約25名。予め送られた1万件強のDMのフォローという形でトークが始まります。スーパーバイザーは、オペレータ数に応じて電話リストを均等分配し、自分に振り分けられたリストより、自動でダイヤルします。サービスのご案内を行いながらお客様のご質問などにもこたえられ、気に入って頂いたお客様は、そのまま受注ということも少なくないようです。

コール結果に関しては、キーボードから文字を多く入力させると時間のロスや集計のミスにつながるとのことで、極力入力はさせず、ドロップダウンリストやチェックリストに簡単なチェックをするのみとしているようです。

お客様へのコールが終了すると、スーパーバイザーがデータをExcelにエクスポートし、クライアントに報告するための日報を作成します。

データは最初に電子媒体で渡され、作業期間終了後には結果を含めた全データをクライアントに納品し、サーバのデータを速やかに全て削除することが大前提となっています。

「従来は、クライアントからコール対象リストを紙ベースで預かり、1件ずつダイヤルしながら電話をし、更に結果をデータとして入力しなければなりませんでした。そして、入力が終わったら、入力ミスのチェックを繰り返し、やっと集計作業となっていました。システム導入後は、簡単なチェックだけですぐに集計が可能となり、クライアントへの報告業務までの時間を、かなり短縮することができました。こちらが、一番の効果だと考えます。」とスーパーバイザーの方は語ります。

また、手作業によるダイヤルの人的ミスもなくなり、オペレータの生産性も向上したとのことです。

今後の展望

営業推進部長 村上様

現在は、アウトバウンド系の仕事の請け負いがメインとなっていますが、今後は通信機器のサポートデスクや受注センターなど、インバウンド系の仕事を請け負うことも検討中の同社。複数の案件を請け負った場合、DBを分けて管理すればインバウンド・アウトバウンドの異なる仕事を同時進行で進めることが可能となります。

営業推進部長の村上様に、今後のビジョンとして次のようにお話いただきました。

「テレマーケティングだけではなく、人材派遣などの事業も行っていますが、年度内にはこのテレマーケティング事業を独立させ、分社化させたいと考えております。

そして、クライアントを増やし、多くの企業の仕事を請け負い、アウトバウンドのみならずインバウンドについても積極的に進め、事業を拡大して参ります。」

インターネットが普及しても、やはりコミュニケーションを取りやすい電話というツールがなくなることはありません。そしてまた、今後もさまざまなサービスのご案内をするテレマーケティング市場が飽和することもなく、テレマーケティング業界の中でも更なる競争が考えられます。そのような市場の中で生き残るのは、情報セキュリティ対策を施し、クライアントとの信頼関係をしっかり築いているアスコム様のような企業なのでしょう。