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メディア掲載翌日に殺到する注文を、CTIシステムで解決

昭和47年創業、函館の港のすぐそばに事務所を構える梶原昆布店様では、地元名産のがごめ昆布を使ったとろろ昆布、おぼろ昆布を職人さんの手引きで生産されています。

事務所1階の作業場では、肉厚のがごめ昆布を、まさに職人技の100分の1ミリという薄さに削っています。そうして丹念に削られたおぼろ昆布は、ふわふわと薄く、口に含むととろけるような食感と、粘りが特徴です。

梶原昆布店様のがごめとろろ昆布は、函館朝市の出店や、直営店である「よろずや」で販売しています。一部百貨店でも取り扱っており、その他では関東などで定期的に開催される北海道物産展などでも購入できるそうです。

お客様は、函館に観光で訪れてお土産として買ったり、物産展で出会ったりとはじめのきっかけは様々のようですが、品質の良さ、味の良さからリピーターになっていただけることが多いというのも納得です。

卸売りから小売へのシフト

従来は、売上の約6割をスーパーや百貨店への卸売りが占めていました。

しかし、 旅先でお土産として購入したお客様が自宅に戻り、電話で注文を頂いたり、北海道の名産を主に取り扱うインターネットショッピングモールへの出店などで徐々に個人のお客様が増えてきました。

システム導入前には、お客様情報や過去の注文をファイルし、紙で保管されていましたが、口コミでどんどん広がるお客様を管理しきれなくなってきていました。そして、掛売りの卸先に請求書を発行するのがメインだった卸売り部門で使用しているシステムとは切り離し、個人のお客様相手に本格的に通販業務を行えるシステムの導入を検討されました。

インターネットからの注文もありますが、高齢のお客様からはやはり電話やFAXでの注文がほとんど。電話による注文を効率的にこなせるとのご判断から、BIG通販Pro CTIをご導入いただきました。

CTIの導入効果

健康ブームの昨今、さまざまなメディアで健康に良い食材を紹介されるとスーパーなどで大々的に売り出されてヒット商品になる、という光景を見かけたことがあると思います。

梶原昆布店様の無添加のおぼろ昆布も、度々健康雑誌やテレビなどで取り上げられ、その反響が翌日の電話数に顕著に現れるそうです。テレビや雑誌を見てはじめて電話をかけてくる全国のお客様は、当然お客様として登録はされていませんが、電話帳データベースからその情報を呼び出してくれるので名前確認などに役立っているようです。

こうしてブームとなっても、またすぐに新しい注目食材が紹介され、入れ替わりの激しい中でも、ブームだけに流されない「良いもの」を見極められる約5%のお客様はリピーターになってくれるとのこと。

そういった積み重ねで徐々に増え続けたいわゆるお得意様の情報をシステム導入時にすべて遡って登録したおかげで、電話注文時のヒット率(着信電話番号でお客様の情報を自動で呼び出し)は高いほうだとのことです。

「システムが入る前には、お客様の情報を膨大なファイルの中から探して、前回の注文を確認しなければならなかった。CTIを導入してからお客様を探す手間が省けるようになったのが一番の効果かな?」と梶原社長。新規のお客様に埋もれることなく、リピーターのお得意様からの「いつもの」という注文にも対応できているようです。

普段は、お客様の食生活に根付いているために自宅での利用が多くても、お中元・お歳暮の時期には贈答品としてご注文いただくことも少なくないようです。BIG通販Proでは、お客様情報に付随して贈答先情報も保存されるので、「前回誰に何を送った」という確認も出来ます。

自社で作るおぼろ昆布の他に、昆布を使った加工品なども取り扱う同社では、定期的に改版されるパンフレットをご挨拶と共に発送し、お得意様の囲い込みをされているようです。

今後の展望

実はこのおぼろ昆布、表面を洗い、酢水に浸し、一晩置いて形を整え、2、3日後にやっと職人さんによる削りの作業となります。削りの作業も、1kg分を削るのに1時間半もかかるそうです。このような工程を経て商品化されるため、機械のような大量生産は出来ないのです。

そのため、宣伝をしてどんどん新規のお客様を獲得しようという営業戦略ではなく、あくまでも口コミで広がったお客様一人ひとりに、今まで通り、手引きの商品をお届けしたいという梶原社長。

代表取締役 梶原様

宣伝活動で一時的に増えたお客様も、商品力がなくてはなかなかリピートオーダーにはつながりません。 商品力や、顧客サービスに満足してこそ、2度目、3度目の注文につながるのです。

今後の予定として、インターネットの自社ショッピングサイト構築も検討中の同社ですが、「これはあくまでお客様の利便性を考えてのこと。むしろインターネットといったバーチャルの世界よりも、市場や直営店のリアル店舗でお客様と接し、お客様の声を生で聞きたい。」とのこと。

大量生産で広く浅く販売するのではなく、本当に良いものを分かるお客様を大切にしたいという、自らも職人である社長らしい展望を語っていただきました。