第59回 「共創型サービスモデルを考える ~オープンイノベーションを誘発する場(ba)の条件~」
新入学、新生活のシーズンですね。
新年度、みなさんはどのような気持ちで迎えられたでしょうか?
パパクワッチの家でも、娘が高校を卒業して大学に入学。ひとつの節目の年になりそうです。
クワッチたちもガサガサ、ゴソゴソ(笑)。寝ぼけ眼で活動する成虫や菌糸ビンの中を活発に動き回る幼虫が春の到来を感じさせます。
さて、先日関西に出張した際に新しいイノベーションスペースである「TheDECK」のオープニングセレモニーに足を運んできました。
受付では株主でもあるJ.B.Goodeのマスコット「J.B.Cat」がお出迎え。
3Dプリンターなど最新のモノづくり機器を活用するスペースも。
白と黒のチェック模様が印象的な内装。シェル型の椅子はとても座りやすい。
■大阪市の元公務員が起業したオープンイノベーション加速企業
実は、TheDECKの立ち上げに携ったフィラメント代表の角さんは、大阪市の元職員。
当時の橋下市長肝いりのイノベーション創出支援施設「大阪イノベーションハブ」の立ち上げメンバーとしても知られており、ハッカソンやアイデアソン界隈では有名人の一人です。
その大阪イノベーションハブから生まれたウエラブル玩具であるMoffは、日本のみならず世界中の子供たちや大人を魅了しています。
ではなぜ、角さんが安定した大阪市の職を辞してフィラメントを起業し、このようなイノベーションスペースを立ち上げたのか?
そこには、多くの日本企業が置かれている自前主義との決別という現実と、角さんの高い志があります。
先行きが見えない今日。多くの企業は、社外にイノベーションのヒントを求めていますが、そのチャンスやネットワークがありません。
角さんは、大阪イノベーションハブにて一定の成果をあげながらも、もっと多くの企業やベンチャーにオープンイノベーションの魅力を伝えたい、そして社会を良くしたいと考え、フィラメントを起業されました。
TheDECK角さんと筆者
■オープンイノベーションデザインファーム
オープンイノベーションでは、複数の企業がリソースやノウハウを持ち寄り、新たな製品やサービスの企画開発を行います。
ここで重要になるのは、今回ご紹介したTheDECKのようなリアルの場やハッカソン、そしてアイデアソンといったイノベーション手法に加えて、さまざまな分野にリーチできる人的ネットワークではないかと最近感じています。
フィラメントでは、自らオープンイノベーションデザインファームを標榜しており、そのサービスコンセプトとして「Hack.」「Connect.」「Innovate.」を掲げています。
オープンイノベーションファームとして、チームビルド、アイデア創発、マネジメントを行い、プロジェクトの成功率を高めている最大の鍵は、代表の角さんの人脈による「出会い」と「絆」にあると考えています。
これが、フィラメントの最大の資産であり、魅力であることは間違いありません。
■開かれたオープンな場と”コネクター”の重要性
このコラムでは、「共創型サービスモデル」についてシリーズでお送りしています。
オープンサービスイノベーションを実現し、共創型サービスモデルを実現するには、誰もが集える開かれたオープンな場(ba)はもちろん、角さんのように企業と企業、ベンチャー、そして人をつなぐ”コネクター”のニーズがますます高まるかもしれませんね。
(つづく)